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2013年2月4日月曜日
まつげエクステ施術者の健康を考える【眼精疲労 編】
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まつげエクステ
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施術に携わる方の大半が、常日頃から慢性的に目の疲れを感じているのではないでしょうか?
今回のまつげエクステに纏わる目の病気は、サロンの先生方の視点に立ち、施術者の健康について考えてみたいと思います。テーマは、目の疲れや肩こりなどを引き起こす「眼精疲労」です。
そもそも、まつげエクステの施術は、繊細さが要求され、神経を使い、目を酷使する作業です。また長時間同じ姿勢を維持しなければならないため身体の血流が悪くなります。このような身体の緊張が続く作業は、眼精疲労になりやすい環境といえます。 眼精疲労は、目の疲れや痛み、目のかすみ、肩こりなどの症状を引き起こします。そうなれば、集中力が落ち、施術ミスを誘発してしまう可能性も考えられます。
■なぜ目は疲れるのか?
目には、水晶体という、カメラで例えるとレンズにあたる部分があります。通常水晶体は、遠くにピントが合うような厚さをしていますが近くを見るときは、さらに厚くなってピントを合わせています。そのピントを調節しているのが、水晶体の周りにある毛様体筋という筋肉です。毛様体筋は、自律神経という神経に支配され、水晶体が遠くを見るときは弛緩し、近くを見るときは収縮します。そのため、パソコンや書類、テレビなどで近くの物を見続けていると毛様体筋が緊張し続けて、目が疲れるのです。
俗に言う「疲れ目」とは、最近二つに分類されることがあります。一つは、休息や睡眠によってすぐに回復するもので、「眼疲労」と言います。これが、一般的に 知られている「疲れ目」にあたるものです。二つ目は、睡眠や休息を取っても目の疲れが残り、頭痛や肩こりなど身体にも影響がでる症状です。これを「眼精疲労」と呼びます。
■眼精疲労の症状
目、時には、身体に症状が出て、ゆっくり睡眠や休憩をとってもなかなか治りません。
目の症状――目が疲れる、かすんで見える、ぼやける、目が重い、しょぼしょぼする、痛い、充血する、涙が出る、まぶしい
体の症状――頭痛、めまい、胃痛、食欲不振、便秘、肩こり、倦怠感
眼精疲労は、生活環境などが変わらないかぎり、自然に治りにくいことが多いです。また、目に異常を感じなくとも身体だけに症状がでることがあります。肩こりや頭痛が慢性的に起きるが実際は、眼精疲労だった――などということもあります。
眼精疲労の原因は、一つではありません。「眼疲労」の小さな原因が集まって眼精疲労になる場合や、別の病気から眼精疲労が引き起こされる場合など様々です。
◆目の酷使
身体を動かし続ければ疲れを感じるように、目も使い続ければそれだけ疲労します。ただの眼疲労でも目の酷使が重なれば、蓄積された疲れが眼精疲労となって現れることがあります。
◆近視・乱視・遠視・老視など
近くのものを見続けたり、老眼などが進行したりすると、眼はピントを合わせようとして、毛様体筋を緊張させ続けます。そして、見えにくくなってくると目を凝らす、首を前に出すなど不自然な姿勢を取りがちになり、目が疲れたり、首や肩などがこったりします。また、近視、遠視、乱視があるのにメガネやコンタクトを使用しなかったり、目に合わないものを使用したりするのも、無理にピントを合わせようとするために、眼精疲労の原因となります。
◆ストレスなどの精神的な要因
目をそれほど酷使していなくても、ストレスで眼精疲労が起こる場合があります。身体には、心臓や消化器などを支配する自律神経という神経があります。自律神経は、自分の意志とは関係なく自動的に作用する神経で、交感神経と副交感神経に分かれています。ストレスを感じると、交感神経と副交感神経はバランスを失い、イライラする、眠れないといった精神的なことや、血行不良、高血圧、胃潰瘍など様々な病気を引き起こします。その病気の一つとして眼精疲労が現れることがあります。
◆身体の病気
身体の病気でも眼精疲労は、起こります。高血圧、低血圧、かぜやインフルエンザ、糖尿病、貧血、自律神経失調症、虫歯や歯周病、月経異常、耳や鼻の病気など多岐にわたります。
◆環境によるもの
紫外線や赤外線、過度の照明など光の刺激をあびることは、目に良くありません。また、現代社会は、パソコン、携帯電話などの画像情報端末を使用する機会が多く、目を酷使する環境下にあります。最近では、化学物質と眼精疲労の関係が指摘されており、シックハウス症候群も原因の一つと言われています。
他の目の病気で眼精疲労を伴うことがあります。
● ドライアイ
目の表面にある角膜や結膜が乾燥する状態のことです。目を酷使する人がなりやすいことが多く、しばしば眼精疲労症状の原因となります。
● 白内障やその手術の影響
白内障は水晶体が濁ってしまう病気のことです。進行すると視力が低下したりまぶしさを感じたりします。白内障は手術で治せますが、手術前と手術後で少し見え方が違って感じることがあります。それらの目の負担から眼精疲労症状に繋がることがあります。
● 緑内障
視神経に障害が出て視野が狭くなる病気です。適切な治療をしないでいると、失明することもあるので注意が必要です。緑内障の患 者さんは眼圧(眼球の内側にかかる圧力)が変動することがあり、眼圧が高いと頭痛や眼精疲労症状が起きやすくなります。
● 斜視・斜位
一方の目は、物を見る正しい方向に向いているが、もう一方の目が別の方向を見ているため視線が一致せず両目で同時に見えない状態を斜視といい、眼精疲労の原因になります。
斜位とは、物を見るときには両目ともまっすぐ視線を合わせるものの、視線を合わす対象がない場合に、片方の目がそれてしまう状態です。物を見る際に、左右の視線を合わせようと努力するために、目が疲れやすくなります。
● 眼瞼下垂(がんけんかすい)
まぶた(眼瞼)が上がりにくくなり、垂れ下がってくる病気です。まぶたが下がると目を見開くときに、無意識の内に違う筋肉(おもに額の筋肉)を使ってしまいます。これが、頭痛や肩こり、眼精疲労の原因になります。
◇メガネが合っているかをたしかめる
メガネを使っていて、目に疲れを感じるようでしたら、メガネが合っていない可能性があります。近視、遠視や乱視、老視などの矯正は、変化していくことがありますから、こまめにチェックしましょう。かならずしも、物がはっきり見えることが良いとはかぎりません。見えすぎることで、かえって目を疲れさせる場合があります。メガネを作るときは、作業や用途に合わせて作りましょう。
◇環境を改善する
作業場の明るさ、 施術台と椅子の高さは無理がない位置を保てているか、また室内の空調にも注意しましょう。エアコンの風は、乾燥しやすくドライアイの原因にもなります。外気の空気を取り入れる、加湿器を置くなどして備えてください。また、体の冷やし過ぎや温まり過ぎにも注意してください。
◇まぶたを温める
蒸しタオルをまぶたの上に乗せると疲れ目に効果があります。血管は温めると広がるので、目の周囲の血行がよくなり、目や目周辺の筋肉の老廃物を取り除くことができます。他に目の周囲をマッサージするのも同様の効果があります。ただし、目が炎症や充血を 起こしている場合、温めるのは危険ですので自分の判断で触らないようにしましょう。
◇目薬を指す
目薬を差せば疲れ目が改善することがよくあります。目のピントを調整する、新陳代謝を促進するなど成分によって様々な効果の目薬があります。病院で症状を相談してから使用してください。
◇リラックスする
ストレスは、様々な病気を引き起こし、眼精疲労症状の原因にもなります。スポーツなどで体を動かす、音楽を聴く、趣味を楽しむなど、とにかく好きなことをしてストレスを解消するのが大切です。
■最後に
眼精疲労には、その裏に他の病気が隠されている場合があります。自覚症状があるならば、適切な矯正ができているかを含めた視力検査や眼圧検査、などの検査を受けて、他に病気がないかを確かめるようにしましょう。
全国の先生方が、常に自らの健康を維持し、最高のサービスを実現して頂けることを願っております。
(病気説明監修:眼科専門医 医学博士 廣辻徳彦先生)
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