2013年2月5日火曜日

見落とさないで!まつげエクステとコンタクトレンズ

■施術前のカウンセリングを大切に

総人口の半数は近視であると言われる日本。当然、まつげエクステ施術を受けられる方の中にもコンタクトレンズ着用者は多くいらっしゃるはず。そこで今回は、コンタクトレンズの問題点に着目しました。


Q:施術中、お客様には、コンタクトレンズを外してもらうべき?

A:松風では、「施術中はコンタクトレンズを外して頂く」を基本的な見解としております。


コンタクトレンズは、大きく分けてハードコンタクトレンズとソフトコンタクトレンズの2種類に分かれています。コンタクトレンズを外して頂く理由として、
◆ハードコンタクトレンズ(以下、HCL)の場合

・HCLは、レンズの直径が角膜より小さいためレンズが動きやすく、目を閉じた時にHCLがずれてしまうことがある。
・HCLのレンズは固い素材であるため、もし未熟な施術者が瞼を押さえてしまった場合眼球を傷める可能性がある。
◆ソフトコンタクトレンズ(以下、SCL)の場合

・SCLの素材自体がグルーの揮発成分を吸ってしまう危険がある。また、揮発成分を吸ってしまうとSCL自体も使用できなくなってしまう。
実際にあった事故:下まつげ装着時グルーがついているエクステをSCLにつけてしまった→その時SCLが溶けていた。
(施術前のテープ貼りがしっかり出来ていないのと、エクステを装着する際、しっかりツィーザーで角度を合わせて人口毛を掴めていなかったのが事故の主な原因。)
以上のような理由と、コンタクトレンズを装用いただくメリットが特にないため、外していただくことを推奨しています。



近年、コンタクトレンズを原因とした目の障害が急増しています。症状は角膜炎を併発するケースが多く、エクステの事故と似ています。したがって、エクステ施術後にそのような病気が発症すれば、「エクステをしたから?」という誤解も生まれかねません。
今回は、まつげエクステとは直接関係ありませんが、誤解されやすいトラブルとして、「コンタクトレンズ障害」を取り上げたいと思います。 



コンタクトレンズは、眼鏡に比べ像のひずみや大きさの違いがない、左右に視力差があっても視力矯正が容易である、視野が広く裸眼と同じように見えるなどメリットも多く大変すぐれた器具です。しかし、非常にデリケートな物であり、「高度管理医療機器」に指定されています。
購入する際には眼科医専門医の処方が必要となり、年に何回かは、定期検査を受けなければなりません。

■コンタクトレンズの眼障害、原因は?

角膜は透明な組織で、血管がないので涙から酸素を取り入れています。それが、コンタクトレンズにより角膜の表面が覆われると、涙の流れが阻害され酸素を取り入れることが困難になります。現在では、販売されているコンタクトのほとんどが酸素透過性の高い素材でできています。しかし、どんなに性能の良いレンズを使っていても長時間装用すると、酸素不足になることは否めません。酸素不足になった角膜は、傷つきやすく感染症にもかかりやすくなります。
コンタクトの種類では、SCLの方がHCLよりも眼障害が重症化する傾向があります。その理由として、角膜に傷がついた時、HCLの場合は痛みですぐに異常に気が付きやすいのですが、SCLの場合は、装用感の良さから異物感や痛みに気づきにくく、自覚症状が出にくいということが挙げられます。
眼障害の原因は酸素不足の他に、レンズの汚れ、アレルギー、機器の刺激、ドライアイなどがあります。また、医師の処方を受けずにCLを購入した、定期検査を受けていない、使用方法を守らない等が該当する方はリスクが高くなります。 



◆角膜浮腫

角膜が酸素不足になると細胞の新陳代謝が阻害され、角膜にむくみが生じます。コンタクトレンズの使用を中止し、症状の強い時は点眼薬を使用します。その後は、レンズケアと装用を適切に行うことに留意し、繰り返す場合はレンズの種類を変更することもあります。

◆新生血管

角膜は透明で血管がありませんが、慢性的な酸素不足になることにより、周辺部から新生血管と呼ばれる血管が伸びてきてしまいます。睡眠時にもSCLを装用している人や、長時間の装用をしている人に多い症状です。

◆角膜上皮障害、角膜感染症

角膜の一番外側の層を上皮といい、この部分に傷がつくことを上皮障害といいます。主な原因は、慢性的な酸素不足やレンズに付着した汚れです。上皮はさかんに新しい細胞が作られているので、レンズの装用を中止すれば通常は数日で治ります。しかし、傷から細菌などが侵入することがあります。角膜に微生物が付着し炎症を起こす病気を角膜感染症といい、重症になる場合もありますので注意が必要です。

◆角膜潰瘍

細菌などで、角膜感染症となり治療が遅れると、角膜上皮の内側にある角膜実質にまで障害が及ぶ角膜潰瘍を引き起こします。非常に危険な病気で、治療したとしても視力に障害が残ることがあり、失明してしまうことすらあります。

◆巨大乳頭結膜炎

レンズの汚れが原因のアレルギーにより、上まぶたの裏側に乳頭というぶつぶつが出来でき結膜炎が起こります。初期には自覚症状が無い場合もありますが、重症化すると乳頭が大きく(巨大乳頭)なり、かゆみ、充血、めやに、レンズがずれる、曇るなどの症状がでてきます。治療には、コンタクトの装用を停止し、抗アレルギー点眼薬を使用します。



◆コンタクトレンズの購入について

購入については、医師の指導と検査を受けた上で、販売管理者が管理する販売店で購入してください。レンズの種類によってケア方法は異なります。必ず医師の指示にしたがってください。

◆レンズケアを行う

コンタクトレンズを取扱う時は、必ず手を洗います。コンタクトの消毒液は、レンズを漬けておくだけでは十分な殺菌効果を得ることができませんので、やさしく丁寧にこすり洗いを行います。また、レンズケース自体も汚れが蓄積していることがあるので、水道水できれいに洗浄し乾燥させる、一定期間で新しいケースに取り換えるなどの配慮が必要です。

◆定期検査を受ける

眼に異常が起こっても検査を受けなかったために、症状が悪化するまで気づかなかったという事例は多くあります。自覚症状のまったくない病気でも、検査を受けていれば軽症の段階で発見できます。目に何の異常も感じなくても医師に指示された間隔で定期検査に行くようにしましょう。

◆カラーコンタクトレンズについて

カラーコンタクトの中には、酸素透過性の非常に低いものや、コンタクト中の色素が角膜に害を及ぼすものがあります。医師の検査を受けないでこのようなレンズを購入している方は、取り扱いもずさんな傾向があるようです。角膜感染症の約4割がコンタクト装用者で、その中でも10-20代に限れば約9割がコンタクト装用者だったという報告があります。カラーコンタクトの装用は、特に注意が必要です。

■最後に

コンタクトレンズを使用しているお客様には、事前に外していただくことをお伝えし、必要に応じて、レンズケースや替えのコンタクト、眼鏡などをサロンまでお持ちいただきましょう。また、トラブルを未然に防ぐためにも、施術時は常に清潔な場所にコンタクトを保管して下さい。 

(病気説明監修:眼科専門医 医学博士 廣辻徳彦先生)